着せ替え支援ツール「キセテネ」

「キセテネ」はUnityでアバターの服を着せ替えるのを支援するツールです。
スライダーで各所のサイズ調整後、ボタン一つで素体に着せることができ、素体付き衣装に頭を乗せたり、髪型の変更にも対応しています。

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基本の使い方(服を着せる)

例として、こちらのアバターに、こちらの服を着せていきます。

booth.pm

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1-1. 下準備

まずアバターが着ている服を削除し、服を着せられる状態にします。

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服はまずPrefabのままなのでUnpackしておきます。

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服に素体がついていますが、今回は使わずに服だけ着せたいのでこちらも削除しておきます。

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1-2. キセテネに服をセット

Unityの画面上部メニューの「Tomoya」→「KiseteNe」を選択

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服のルートオブジェクトをキセテネの服の欄にドラッグ&ドロップします

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このように、いろいろなメニューが出てきたらOKです ここでエラーが表示された場合は、下のQ&Aを見てください

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1-3.調整画面の使いかたと便利な操作

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スライダーを左右に動かすことで、パーツごとに調整することができます。
上下の場合、右で服が上に、左で服が下に動きます。
[Reset] 最初の状態に戻します
[--][-] 左方向に微調整するボタンです。--のほうが大きく動きます。
[+][++] 右方向に微調整するボタンです。++のほうが大きく動きます

Unityでは
右クリックを押しながら動かすと視点の移動
スクロールのころころを押しながら動かすと位置の移動
ができます。
これらを駆使して色々な向きから確認しつつ、調整しましょう。

1-4. サイズ調整の流れ

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服と身体がどう見てもあっていないので、調整をしていきましょう。
全体のサイズを調整する→腕の調整→足回りの調整 という順番がお勧めです。

専用服ではないものを完全に調整するのは無理なので、ある程度で切り上げて、はみ出したところは消せばいいやーの精神がお勧めです。
首や手首など、服と身体の境目があっていれば大体何とかなります。
貫通(動いたときに服から肌が飛び出す)防止の面でも、服に隠れる部分は消してしまうのがお勧めです。
ポリゴン数も減ってちょっと軽くなります。

1-4-1. 全体の調整

上下、前後:全体の位置を調整します
拡大縮小:全体のサイズを調整します
お辞儀:腰のあたりからお辞儀をするように曲がります。マイナス方向に動かすとのけ反り気味になります。

服全体の大きさと位置を調整します。
首周りを基準に考えると合わせやすいです。
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横からも見て、首と肩の位置がずれてないか調整しましょう

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こんな感じになりました。
ウェストがはみ出していますが、あとで消すので気にしません。

1-4-2. 上半身の調整

腕を上げる:Tポーズからそのままバンザイします
腕を前に出す:前ならえします
袖を伸ばす:腕周りを伸ばします
袖を太くする:長さはそのままで、腕周りを太くします

袖からちゃんと手が出ていればだいたいOKです。 二の腕のあたりがはみ出したり、肩がはみ出すこともありますがあとで消しましょう。

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1-4-3.下半身の調整

足を開く:足回りを横方向に開きます
足を前に出す:長座体前屈のように、足を前に出します
裾を伸ばす:足回りを縦に伸ばします 裾を太くする:長さはそのままで、足回りを太くします

主にパンツや靴系のための項目です。
足のウェイトが乗っていないスカート系の服には効果がないことも多いです。

靴と服がセットになっている場合、靴を調整しようとすると服がずれて合わないという時は、靴だけと服だけで2回着せてください。

靴の調整も、見えないところは消してしまうので足首のあたりがあっていればOKです。

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1-5. はみ出したところを消す

ここはキセテネではできないので、別の方が作ったツールを紹介します。
がとーしょこら様のMeshDeleterWithTextureがとても便利なので、ぜひ使ってみてください。

booth.pm

便利すぎて勝手に書いた紹介&使い方記事はこちらです。

tomo-shi-vi.hateblo.jp

または、肌テクスチャを透明にして透過させる方法もあります。

1-6. 着せる

調整が終わったら、最後に身体に着せていきます。

身体のオブジェクトを、キセテネの身体のところにドラッグ&ドロップしてください。
※ここで赤いエラーが出た場合はQ&Aを見てみてください。

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セットできたら、「着せる」ボタンを押すと、服を着た状態のアバターが出来上がります。

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身体の下に服オブジェクトが入り、ボーンが関連付けられています。
身体のほうを動かすとちゃんと服がついてきました

便利な使い方

キセテネの操作方法は基本の使い方を読んでみてください。

髪型を変更したい

例としてこちらの髪型を着せていきます。

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「服」に髪型をセットしてください。
調整欄が髪型モードになるので、位置や大きさを調整します。

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調整が終わったら、基本編の「1-6.着せる」の手順で髪型をアバターにセットできます。

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専用服を着せたい

調整が不要な専用服の場合、服をセットしたら調整には触らずに身体をセットし、着せるを押してください。

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素体付きの服に頭を乗せたい

素体付きの服の場合、「服」に頭をセットします。
調整欄が髪型モードになるので、位置や大きさを調整します。
位置が決まったら、「身体」に素体付きの服をセットして着せるボタンを押してください。

Q&A

服をUnpackしてって言われました

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服がPrefabのまま(青い四角アイコン)になっていませんか?
右クリックして、「Unpack Prefab」を選んでください。
グレーの四角になったらokなので、もう一度セットしてみてください。

服のボーンが取得できませんでしたって言われました

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理由がいくつか考えられます

・セットしているものが違う場合
「服」の欄には、ボーンとメッシュの親オブジェクトをセットしてください。
・ ボーンを含まないものである場合
ボーンを含まない(動かない)ものを「キセテネ」で着せることはできません。
・キセテネが対応していない場合
お手数ですが、「お問い合わせ」からご一報いただけましたら修正対応します。

服のボーンが一部取得できないって言われました

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理由がいくつか考えられます

・服に最初からボーンがない場合
上半身しかない服(Tシャツとか、ジャケットとか)に足は関係なく、下半身しかない服(パンツとか)に腕は関係ないため、最初からボーンがない可能性があります。
この場合は害はないので無視してください。
・キセテネがボーンをうまく見つけられなかった場合
「キセテネ」はできるだけいい感じにボーンを探しますが、うまく見つけられないことがあります。
腕があるのに腕の欄が空欄だったりする場合は、「ボーン詳細設定」でボーンを設定してください。

調整が変な動きをする

腕を上げてるのに腕が回転する、伸ばしているのに太くなる、など 表記と違う動きをする場合、お手数ですがお問い合わせにご一報ください。

身体にセットするものがわからない

服同様に、ボーンとメッシュを含む大元のオブジェクトをセットしてください。
AvatarDescripterがくっついているやつです。

身体がHumanoidではありませんて言われました

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身体側はHumanoidRigである必要があります。
配布されているアバターの場合、ほぼHumanoidになっていると思いますが、Blenderで調整したFBXを使用すると外れていることがあります。
FBXのRig設定を確認してみてください。

髪でArmatureがないものがあるんだけど

将来的にアップデートで対応予定ですが、
それまでは下記の手順でダミーオブジェクトを作成してください。

1.髪のルートオブジェクトを右クリックして、CreateEmptyで空のオブジェクトを作成します。

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2.先ほど作成したオブジェクトを右クリックして、CreateEmptyで空のオブジェクトを作成します。
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3.最初のGameObjectを「Armature」、二個目のGameObjectを「Head」にリネームします。
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4.Headの下にもともとの髪のボーンを移動します
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これで髪調整モードが使えるようになりました。

同梱について(販売者向け)

「キセテネ」は服や髪等に同梱して配布することができます。
キセテネのUnityPackageをそのまま配布物に含めてもいいですし、配布物のパッケージに最初からキセテネを含んでも構いません。

パッケージに含む場合は、Tomoyaフォルダの中身を丸ごと入れるようにしてください。
LICENSEやREADMEも必ず含んでください。

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謝辞

クローズドβとしてディスコードで限定公開させていただき、多くの方にご意見をいただき改善することができました。
ご協力ありがとうございました。